人とキャリア People & Career
苦労の先にある成長を求めて。システムのプロとして公共事業領域ソリューションを牽引
山本 崇陽
キャリアを積み、エンジニアとしてのステップアップをめざして転職を決意
前職では、エンジニアとして主に生命保険や建築関連のシステム開発に携わってきたという山本。クライアント企業に常駐し、システムの保守開発を担当しました。
山本 「学生時代はエンジニアという職業に強い興味があったわけではありませんでしたが、エンジニアとして働き始めてからは想像以上に水が合うと感じています。システムを作って改善していくことが楽しく、試行錯誤を重ね、お客様に喜んでいただけることが嬉しいです。前社には約10年在籍して、エンジニアとしての経験を積み重ねました」
そんな山本が転職を考えた背景には、「システム開発の上流工程に関わり、ステップアップしたい」という想いがありました。
山本 「前職の場合は、要件などが固まった状態でシステム開発の依頼がきて、業務を進めていました。しかし、発注されたシステムの中には『もっとこういう設計にすればいいのに』と感じる案件が数多くありました。そうした点に踏み込むためには、受託したシステムの開発だけに取り組む会社よりも、要件や要求をコントロールできる上流工程から関わることができる環境に身を置くのが良いのではないかと考え、転職活動を始めました。
そこでご縁をいただいたのが、富士フイルムシステムサービスでした。自社でシステム開発をしていることはもちろんですが、今まで経験がなかった公共事業領域の案件に携わることができる点に魅力を感じ、入社を決めました」
2018年に富士フイルムシステムサービスに入社した山本は、システム開発部 第2開発グループで「異動受付支援システム」の初期導入・クラウド化を担当。
「異動受付支援システム」とは、自治体住民窓口における「書かない窓口」の実現に向けて、引っ越し手続きの際に必要となる転出証明書の印字項目をOCRで読み込みテキストデータ化することで、住民が住民異動届へ記入することなく(※)システム上で申請書を作成することができるシステムで、富士フイルムシステムサービスが注力する自治体DXを支援するソリューションのひとつです。
山本 「『異動受付支援システム』の開発当時、当社がこれまで開発してきたほかのシステムとはアーキテクチャが異なり、Web系の技術が必要でした。私は前職でWebサービスのシステム開発をしていたので、その経験を活かして参画し、クラウド化にも貢献できました。
その後、住民の皆様が自治体庁舎へ来庁する前に必要な手続きや持ち物をスマートフォンやパソコンなどから手軽に確認でき、申請情報の事前入力と二次元バーコード化を可能にする『事前申請システム』の企画や初期開発も担当しました。入社の決め手でもあった自治体様などの公共事業領域の案件に携わり、さまざまな住民窓口業務を効率化することをめざし活動しています」
(※)署名は手書き
新規事業のスピードアップのために発足した製販一体のソリューション推進部
2021年、公共事業本部ソリューション推進部の発足と同時に、同部へ異動した山本。ソリューション開発グループにて総勢25名のチームをまとめるリーダーとして、システムの保守開発と新規システム開発の両方をフォローしています。
山本 「当社の公共事業領域ではこれまで『戸籍総合システム』『コンビニエンスストア証明発行システム』『住民総合システム』の3つを事業の柱としていましたが、昨今は4つめの柱として『異動受付支援システム』を新規事業として取り組んでいます。事業が拡大していくに従ってリソースも増加。開発と営業の部署が分かれているとスピード感が出せない、という課題も発生しました。そこで、製造販売一体となった組織としてソリューション推進部が発足したのです」
山本はソリューション推進部で、「異動受付支援システム」や「事前申請システム」などの自治体窓口業務のDXを支援する「デジタル窓口ソリューション」を担当。
山本 「異動後も仕事内容は引き続き『異動受付支援システム』や『事前申請システム』の保守開発を行い、2023年からは新たに自治体の行政手続オンライン化の推進を目的とし作成された標準仕様書『申請管理システム』に関する開発もスタートしているので、稼働済みシステムの保守と、新システムの新規開発という両輪を回している状態ですね」
チーム内は若いメンバーも多く、活気のある雰囲気。多忙ながらも楽しく仕事を進めていると言います。
山本 「ソリューション開発グループには、当社の社員とパートナー企業のメンバーがいますが、みんな前向きで、積極的に仕事に取り組んでいます。チームのリーダーとしては、自分が前面に出て動くより、チームメンバーが自律的に動けるようにフォローアップしていくことが理想だと考えています。基本的には仕事を任せ、必要なところで相談に応じていくことでチーム力の最大化をめざしています。
また、エンジニアとして仕事をする以上は、システムのプロである意識を常に持っていたいと思っています。当社のシステムについてはもちろん、IT全般について深い知識を持ち、お客様と相対したときに何でも答えられる──そんなお客様から頼っていただける存在であり続けたいですね」
上流工程から開発後の保守や労務まで。幅広い業務を任され、成長を実感
前職までは受託開発に携わっていた山本。富士フイルムシステムサービスでは自社システムを取り扱うようになり、業務の幅が大きく広がったと感じています。
山本 「『異動受付支援システム』のローンチやクラウド化を進めていたときに、保守の方法でかなり悩んだことがありました。これまでの経験からシステムの設計や開発に関しては自信があったのですが、その後の保守の部分まで考えるのは初めてで……。どのように開発するかだけでなく、事業として利益を出すためにはどういった運用を考えるべきなのか。数字と向き合いながら保守の方法を検討していくことが本当に大変でした。
当時は自分で調べて勉強したり、上司に聞いて学んだりして、ようやく軌道に乗せることができました。試行錯誤の結果、システムを実際に動かす上で必要なタスクやリソースを把握でき、多くの知識を身につけることができました」
また、システム開発の上流工程である企画や要件定義から関わるようになったことで、エンジニアとしての責任感や使命感をさらに意識するようになったと言います。
山本 「システムを開発するからには、完成後、人間が手を動かす必要がないようにしたいと思っています。システムの設計や対応もそれがベースとなっていますし、お客様側が手を動かさず、無理なく業務を進められる形がベスト。人の手を介すとどうしてもミスが起こるので、『人間が手を動かしたら負け』くらいに考えて(笑)、お客様の業務が効率化し、さらに業務品質も向上するようなシステムを今後も作っていきたいですね」
また、念願だった公共事業領域の案件に関わるようになって感じた、新たなやりがいについて山本はこう語ります。
山本 「自治体様の中では、まだまだ古い技術を使っているケースがとても多く、苦労されていることがわかりました。その仕組みを変えるとまでは言わないものの、最新の技術にアップデートできることにおもしろさとやりがいを感じています。最新のツールやシステムを導入し、お客様の日々の業務を効率化することはもちろん、お客様の先にいる住民の皆さんの利便性を向上させる。そのお手伝いができること──そこに大きなやりがいを感じますね」
お客様の課題解決のために一緒に苦労し、モノ作りを楽しめる人に来てほしい
入社から5年目を迎えた山本は、今後の目標を次のように語ります。
山本 「自分はシステムのトータルデザインができる人材へと成長したいと考えています。たとえば、システムで問題が発生したときには、OSのレイヤー、ミドルウェアのレイヤー、アプリケーションのレイヤーなど、どこで解決するのが最適解なのかを検討する必要があり、解決策もひとつではありません。Webサービスでもプログラム側で解決する方法もあれば、フロント側で対処する方法もあります。全体像を把握し、ベストな方法を見つけられるスキルを磨いていきたいですね」
キャリア採用で入社した山本が感じる「富士フイルムシステムサービスで働く魅力」は、仕事の幅の広さ。視野が広くなり、自分自身の成長につながっていると語ります。
山本 「ひとつのサービスを新規開発するときに、エンジニアの私たちが見るべき範囲やコントロールできる範囲がとても広いです。料金面を考慮した上で基礎設計を検討し、営業と打ち合わせをすることもあり、いわゆる開発としてイメージする工程外も含めて、業務の範囲内になります。範囲が広くなる分、苦労が大きくなることも事実ですが、同時に大きなやりがいを感じますね」
そんな山本が新たなメンバーとして歓迎したいのは、一緒に苦労し、その先にある成長をモチベーションとして働くことができる人。
山本 「私も含めて、当社のエンジニアは受託開発している会社からの出身者が多いと思います。受託中心の会社と比べると、今の業務はルーティンワークではなく、決して楽ではありません。でも、そこに挑むからこそ大きく成長できるし、最新技術を用いて行政を改革していくやりがいを感じられます。お客様の課題を解決するために、モノを作ることを前向きに楽しめる人。そんな方と一緒に仕事ができると嬉しいですね」
システム開発の上流から関わり、自治体や公共機関の業務効率化に貢献し、DXを支援する──入社時の希望を実現し、リーダーとしてもさらなる飛躍をめざす山本。苦労を厭わず、楽しんでくれる仲間とともに、挑戦を続けます。