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強みを活かしたキャリアを実現。開発×品質マネジメントで頼られるエンジニアをめざす

公共事業本部 システム開発部 第1開発グループの小尾 直宏。品質マネジメントのエキスパートとして、開発プロセスを分析しながら、より良いフローを構築すべく提案・改善を繰り返しています。エンジニア×品質マネジメントという強みを持つ小尾は、どのようにキャリアを歩んできたのか、想いとともに紐解きます。

小尾 直宏

既存システム刷新に向け大規模なテスト業務──効率を求め品質マネジメントと出会った

小尾が新卒入社したのは2008年。研修後に公共事業領域のシステム開発部へ配属され、「住民総合システム」のシステム検証を担当。その後、2009年4月からは、「コンビニエンスストア証明発行システム」の前身システムの開発・検証管理を担当しました。

小尾 「2012年はのちに『コンビニエンスストア証明発行システム』となる前身システムの刷新プロジェクト(以下、既存システム刷新プロジェクト)の立ち上げ、2013年は戸籍届出関連のアプリ開発プロジェクトの立ち上げに開発・検証管理担当として参画し、多くのお客様が利用される行政サービスのプロジェクトに関わってきました。新しいプロジェクトに参画することは、自分にとって刺激をもらえる機会になっているんです」

入社以降さまざまなプロジェクトに関わり、活躍するフィールドを拡げてきました。その中で、とくに小尾が印象に残っていると話すのは既存システム刷新プロジェクトです。小尾が本当にやりたかったこと、進むべき方向性が定まったキャリアの分岐点でした。

小尾 「既存シスエム刷新プロジェクトでは10〜20人という今までより大きな規模でシステムテストをする必要があり、以前と同様の方法での開発・検証管理では効率が悪くなってしまうという懸念がありました。

そこで、品質マネジメントについて学び、コミュニケーションルールや判断材料をまとめて計画を作成。その結果、滞りなくシステムテストを進行することができました。そのとき、品質マネジメントの奥深さを実感したんです。これまで培ってきたエンジニアとしての技術に、品質マネジメントの知識を組み合わせれば『より良い開発ができる』と感じた瞬間でした」

そこから「エンジニア×品質マネジメント」という道に進み始めた小尾。全体を把握しながらも細やかな点に意識を向け、力を発揮しています。

小尾 「システムを作るときは、まず完成形となる大元の木の幹に注目します。しかし品質という視点で見てみると、実は枝葉の部分がとても重要なのです。そこにひとつ、何か違和感のあるものがあると、枝葉から木が腐っていく可能性もある。ミクロとマクロ、両方の視点を持って開発にあたることができる点が、おもしろいですね」

複数のシステムを並行して担当。視野を広げ、開発プロセスを改善

▲CS品質管理グループのメンバーと(左が小尾)

2023年3月現在はシステム開発部内の品質マネジメントを担当しながら、会社全体の品質を統括しているCS品質管理グループも兼務し、業務に従事しています。

小尾 「システム開発部の品質マネジメントはひとつのシステムを担当するのではなく、複数のシステム開発で生まれた成果物の内容を精査したり、作る過程の中でのレビュー状況の確認をしたりしています。そしてそのレビューを踏まえた上で、分析・改善提案することがメインの業務です。

CS品質管理グループでは全社からさまざまな情報が集まってくるので、それに対して自身の経験から気をつけた方が良い点、もう一度確認すべき点、より工夫できる点などを提案することもありますし、先輩方の改善提案を聞きながらさまざまな対応方法について日々勉強しています」

単に「品質」と言っても、業務によって分析・改善の内容を変えていかねばならない。経験を活かしながら、成長を重ねています。

小尾 「個々にシステムテストを進めるプロジェクトは経験値もあるので、今まで身につけてきたセオリーを用いて取り組んでいます。担当するシステムが変わったとしても、その点は変わりません。一方で、今まで分析される側、改善提案を受ける側の立場の方が多かったのですが、品質マネジメントに従事するようになってからは、自分で分析・改善提案をするという点で意識が大きく変わりました。定性的・定量的な改善点を踏まえた上で提案することに新鮮味を感じています」

品質マネジメントの担当として複数のシステムに対応する上での難しさも感じています。

小尾 「各システムの情報を一つひとつ確認して状況を把握することは、骨の折れる業務です。しかし、それを理解した上でシステムの特性やプロジェクトの状況に合わせて品質をより良くしていくための提案や検討を重ねるのはおもしろく、やりがいを感じます。他のチームの成功事例を共有することもあり、複数のシステムを把握しているからこそのメリットだと思います」

 システム開発部における品質マネジメントの基礎を現在進行形でリーディングしている小尾。今後は、後進育成も視野に入れています。

小尾 「品質マネジメントについて手順化し、誰もがその運用や対応方法を理解できるように準備しています。ただ、プロジェクトに応じた対応については個別に考えていく必要があるので、一緒に作業しながら育成していきたいと考えています」

数値に基づく提案でトラブルを未然に防ぐ──要は開発段階から携わること

品質マネジメントはシステムを滞りなくリリースする上で非常に重要な業務です。順調にプロジェクトを進行させるには、開発段階から品質マネジメントの視点で関わることが重要だという小尾。

小尾 「システム開発を進める中では、さまざまな成果物が出てきますので、当然その成果物を作るためのレビューも実施します。私はそのレビューでの指摘内容をカテゴリごとに集計し、レビュアーごとに分析を行って、数値に基づいた提案をしています。たとえば設計書のレビューや、テスト計画のレビューなどの記録から分析を行い、『今回はこういう傾向があるので、ここは気をつけた方が良い』などと具体的に提案します。

また開発段階においても『今回はこういう特性がある開発なので、少しここの工程をカスタマイズした方が良い』などと提案し、開発段階から携わり不具合などのトラブルとなりうる危険を摘み取る活動をしています。システムの完成後に不具合が発見されることは、もちろんシステムのリリースにも影響しかねません。開発段階から品質マネジメントの視点で提案することで、そもそもの不具合を発生させないということを意識して活動しています」

システム開発部とともに、CS品質管理グループを兼任している小尾だからこそ、品質のこだわりや心がけるべき点は無数にあると話します。

小尾 「開発工程ではシステム開発部の方がよりプログラムの品質に寄ってしまう傾向があるのですが、CS品質管理グループはプログラム品質だけではなく、提供するサービス全体の品質を意識し、俯瞰した捉え方をしなければならないのが大きな特徴です。たとえば開発を進める中でさまざまな制約が発生し、お客様と当初お話していた仕様条件を変更するかしないか、ギリギリの判断を迫られることもあります。


もちろん、システムが完成してから変更した内容でお客様に納品してしまっては、お客様は成果物に対してギャップを感じ、結果として『品質が良くない』という不満足につながってしまいます。そのためCS品質管理グループではこういったことが起こらないよう、お客様の運用面も考慮し、お客様にとっても良い落としどころを設けながら、定期的に合意形成し、ギャップを埋めていくことが大切といったことも提案しています」

常に品質を意識しながら、開発に取り組んできた小尾。社内では「品質と言えば小尾」という認識が広がっています。

小尾 「最近、社内では品質に詳しい人という認識してもらえるようになってきました。各プロジェクトのリーダーやプロジェクトマネージャーから品質に関しての相談を受け、感謝されることもありました。『社内で認められているんだな』と実感しやりがいを感じています」

品質を向上しながらも、品質という言葉がなくなることが、最終的な目標

エンジニアでありつつも、品質マネジメントという独自の強みを持ったキャリアを進めることができたのは、会社からの後押しもありました。

小尾 「これまでの経験を踏まえ、『品質マネジメントを中心に仕事をしたい』と上司に相談していました。もちろん会社の状況などさまざまな兼ね合いがあってのことですが、結果として、今のポジションを任せてもらえるようになりました。社員の気持ちを汲み、望むキャリアを支援しようとしてくれる環境があり、富士フイルムシステムサービスで働いていることに充実感を得ています」

社内には社員一人ひとりが成長し、最大限の力を発揮できる環境がある。小尾は富士フイルムシステムサービスに向いている人を、「チャレンジしたい人」であると言います。

小尾 「私自身がそうであったように、自分が成長したいと思っている人が向いています。働き方は多様化しており、たとえば終業後サッと帰る社員もいれば、新型コロナウィルス感染拡大前には飲みに行き、コミュニケーションを深める社員、勉強会を開いて個々の力をみんなで引き上げようとする社員など、働くスタイルや考え方は人それぞれ。しかし、仕事のときはひとつの目標に向かって、みんなでチャレンジしています。成長の機会も多く、前向きな気持ちで働ける人が活躍できると思います」

その言葉通り、今後もチャレンジを続けたいという小尾。

小尾 「自分の持っている能力を活かしながら、経験を重ね、部門全体の品質向上に役立てられるような存在をめざしたいです。システム開発の中でも品質マネジメントはすごく重要で、切っても切り離せないところなので、社内をリーディングできるように、研鑽を続けていきたいですね」

その一方で、「品質」という言葉自体がなくなることも、長期的な目標だと語ります。 

小尾 「たとえば食料品の場合『おいしい』『見た目が良い、キレイ』とか評価するかと思いますが、お客様自身が『このプログラムは品質が良い』と言う機会はなかなかありません。プログラムの品質が良い場合、とくに品質に意識することなくお客様が利用し、目的の仕事を終えることが大半であり、当たり前になっています。そういった意味でお客様から『品質』という言葉を聞かなくなる状況になれば、私が取り組んできた品質マネジメントが形になっている、と感じられるのではないかと考えます」

システムの品質マネジメントを極め、ほかにない存在としてキャリアを進めてきた小尾。今まで培ってきた自分の強みを活かしながら、その道のナンバーワンをめざし続けます。

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