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「わかる」から「できる」へ。全国1,200を超える自治体の職員様を支えるコンテンツクリエイタ

カスタマーサクセスグループ 内のコンテンツクリエーションチームでチーム長代理として、総勢16人のメンバーをまとめる倉俣 歩美。「戸籍総合システム」を利用する自治体の職員様向けに、Webセミナーの開催やシステム操作マニュアルの制作などを行っています。お客様とその先の住民のため、そしてメンバーのために奔走する倉俣にこれまでのあゆみを聞きました。

倉俣 歩美

法改正の壁を越える「伝える力」──「戸籍総合システム」の顧客体験をコンテンツで実現

自治体向け「戸籍総合システム」のお客様サポートを担うカスタマーサクセスグループ。同グループは、カスタマーセンターチームとコンテンツクリエーションチームの2つのチームで構成されています。

「カスタマーサクセスグループのミッションは、お客様である地方自治体職員様の業務効率化やシステムの安定運用の実現に向けたご支援、また同時に当社へのロイヤリティを向上させていくことです。

私は、コンテンツクリエーションチームのチーム長代理として、協力会社のメンバーも含め、16人のメンバーと共に『戸籍総合システム』の操作マニュアルをはじめ、マイナンバー活用促進に向けた『デジタル手続法』改正に関するWebセミナーや解説動画の制作などに携わっています」

2025年4月に発足したコンテンツクリエーションチーム。前年度は、8人でコンテンツ制作を行っていましたが、2025年度は、戸籍へのフリガナ記載の開始と標準準拠システム(※1)への移行など、さらなる法改正対応が必要となり、2025年に入って人員が倍増。倉俣は日々チームマネジメントに奮闘しています。

「コンテンツクリエーションチームの特徴は、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まっていることです。

『戸籍総合システム』の操作方法や戸籍事務まで幅広いお問い合わせに対応する戸籍サポートセンターのオペレーター経験のあるメンバーや自治体業務を熟知し自治体職員の経験のあるメンバー、また現地の自治体様に訪問してSE作業や窓口対応支援を行っていたメンバー、さらにはシステム開発の経験者まで。多様な経験と得意を活かしてもらえるよう、適材適所の業務配置を心がけています。

加えて、どのコンテンツ制作も、1人で完結できる業務ではないため、メンバー全員で連携しながら進めています」

お客様へのわかりやすい説明を実現するため、さまざまな工夫を重ねていると言います。

「法改正の内容は難しく、コンテンツの制作過程では、集中して構成検討しているとつい主観的な視点に陥りやすくなります。そのためリーダーとして常に俯瞰的に物事をとらえ、客観的にコンテンツを確認することを大切にしています。

また、担当メンバーが先行して国や開発部門からの資料を読み解き、知識をインプットして情報整理を行い、社内メンバーへ勉強会を開催するなどアウトプットを重ねることによって、メンバーからの小さな疑問を拾い上げてコンテンツへ反映させています。このインプットとアウトプットの繰り返しにより、組織的な業務品質が向上し、最終的な受け手となるお客様に伝わりやすくなるよう努力を続けています。

伝え方の点では、法改正の専門的な情報をお客様にとって理解しやすい言葉に言い換えたり、繰り返し丁寧にお伝えしたりすることも大切にしています。元自治体職員のメンバーから法改正による実務への影響について意見を聞きながら、言葉の選び方1つにおいても試行錯誤を重ねています。

お客様の実務でお役に立てる情報となるよう、常にお客様に寄り添い、コンテンツからも高いホスピタリティを感じていただけるようチーム全体で気を配っています」

Webセミナーは1回あたり約1,000人程度のお客様に視聴いただいています。アーカイブ配信での視聴も含めると3,000人から5,000人の方にお届けすることとなり、お客様のコンテンツへの関心の高さとご期待が伺えます。

「Webセミナー直後にアンケートでお客様からの反応がいただけるのは、とてもありがたいと思っています。一方で、『わかる』と『できる』は違うということも痛感しています。アンケートで『満足』『わかった』と評価いただいても、実際の業務でお客様が迷われてしまうことは少なくありません。

そこで、全国の自治体様への展開前に、懇意のお客様と意見交換会を実施してご意見をいただくことで、セミナーの構成や解説内容を再考したり、間違えやすい点をマニュアルに反映したりしています。

また、問い合わせ状況から当社ユーザー様向けのポータルサイトやFAQへ掲載し、メール配信するなど、鮮度が高く旬な情報を素早く発信するよう心がけています」

※1 標準準拠システムとは、地方公共団体やシステムベンダーが標準仕様書に基づいて構築する情報システムのこと。これにより自治体間の業務やデータの互換性を保ちつつ、地方行政の効率的で効果的な運用を実現し、住民の利便性の向上が図られます。標準化対象として、20業務が指定されており、その中に「戸籍」と「戸籍の附票」が含まれています。

クラウド化とコロナが変えた一斉情報発信の道。チームの団結が生む良質なコンテンツ

もともと「戸籍総合システム」の戸籍サポートセンター業務に携わってきた倉俣。入社後はオペレーター業務を約3年、その後スーパーバイザーを約7年、経験を重ねてきました。

「スーパーバイザーの時は、入電数やオペレーターの対応状況のデータ管理・分析や人材育成など、サポートセンターの運営体制を整える業務が主でした。お客様に高い応対品質を提供し、電話がつながりやすいセンターを構築することが社会への貢献につながっていると考えていました。

一方で、私自身としてはもっとお客様と近い立場で反応やご意見を確認し、直接対話を重ねながらサポートしていければという想いがありました」

2021年頃からデジタル手続法の法改正への対応が本格的にスタート。倉俣のキャリアは大きな転換期を迎えます。

「2022年に今のグループの前身となるカスタマーサクセスチームが発足し、Webセミナーやコンテンツ制作の業務が本格化しました。『戸籍総合システム』のクラウド化やコロナ禍の影響もあり、それまでは現地に作業員が訪問して行っていたお客様サポート業務はWebを活用した一斉情報発信の形態へと変化していきました。

コンテンツ制作の仕事はお客様の反応やご意見を直接いただけるところにやりがいを感じます。少しでもお客様の声に応え、より喜んでいただける姿を想像しながら、メンバー皆で一丸となって1つのコンテンツを作り上げるところも魅力ですね。

一方で、私たちが法律を決めているわけではないので、法改正についてはっきりと明言できないことも多くあります。たくさんのお客様がご覧になるコンテンツを作っているので、誤解を招かないように慎重に言葉を選ぶことを心がけています」

これまでの経験の中で、もっとも印象に残っている出来事を尋ねると、倉俣は2021年12月に行われたWebセミナーについて語ってくれました。

「今の取り組みの皮切りとなるようなセミナーで、社内でもじっくりと準備を進めた末に実施しました。その結果、お客様から高評価をいただき、社内表彰にもつながったことが非常に励みになりました」

一方で、苦労した経験として2023年の出来事を挙げます。

「戸籍事務内連携(※2)のテストの開始に合わせて、Webセミナーの頻度を増やす予定としていた時期に、ちょうど一緒に働いていたメンバーが他部門に異動してしまいました。そのため、新しく異動してきたメンバーの教育をしながら、並行して自分自身が講師となるセミナーの準備も進めなければなりませんでした。当然セミナーのスケジュールを遅らせることはできない中で、自分が抱える業務量の多さと責任に、絶望を感じたことを覚えています。

でも、その困難な時期をチーム全員で乗り越えた結果、当時の新メンバーは今ではすっかり一人前になり、しっかりと活躍してくれています。今年度、異動したメンバーを再びチームに迎えますますチームとして団結できたと感じています」

※2 国が新たに設置した「戸籍情報連携システム」を介して、全国の各市区町村の「戸籍情報システム」がつながることで、住民の利便性向上や自治体の業務効率化などを目的として、地方行政のデジタル化を実現するものです

本人が気づいていない強みを引き出す──多様なメンバーが活躍するチームの舞台裏

2024年からリーダー、2025年からチーム長代理へと立場が変化していく中で、倉俣が意識しているのはメンバーの成長を重視したマネジメントの実践です。

「メンバーの力を最大限に発揮させることと、本人が気づいていない能力や強みを引き出し、伸ばすことを意識しています。私たちの業務はWebセミナーの企画・開催やマニュアル・動画制作、お客様の法改正対応の進捗状況や運用定着の管理など、Webチャネル領域を活用することで多岐にわたります。そのためメンバー一人ひとりにも総合的な対応力が求められます。サッカーのフォーメーションのように流動的に動けるような組織作りを心がけ、いざとなればゴールキーパーでもゴールは決められるというように、誰もが臨機応変に対応できる組織作りを意識していますね。

また、コンテンツ制作には納期がつきもの。期日に合わせて作り上げる力も求められます。『みんなで期日通りによいものを作ろう』という前向きな気持ちを大切にしています」

チームには新卒から60代まで、幅広い年齢層のメンバーが所属しています。日常的なチーム内のコミュニケーションを重視し、毎日20分程度の朝会で各メンバーの担当業務ごとに進捗状況や情報共有、課題の認識合わせを行うなど、メンバー同士の連携強化に努めています。

「男女問わず、さまざまな世代のメンバーが活躍していることも特徴です。そのため、それぞれのメンバーの長所や強み、置かれている環境を最大限に尊重しながら、柔軟な働き方を実現しています」

国の法改正の状況や内容に応じて柔軟な対応が求められ、かつ活動の裾野が広がっているというコンテンツクリエーションチーム。多忙な中でもコンテンツ制作のかたわら、新しい可能性を追求するために以下の2つのことに取り組んでいると語ります。

「1つめは、お客様同士の交流の場を設けることです。当社の『戸籍総合システム』のシェア率の高さを生かし、Web上などでお客様同士が情報交換できる機会を設けることで、お客様の運用をサポートできればと思っています。

現在は懇意にしていただいている自治体様に、感想やご意見をいただきコンテンツの精度を高めたり、お客様同士で情報交換をしていただいたりしています。今後はより多くの自治体様の交流の場をご提供できれば嬉しいです。

2つめは、お客様情報を社内で横展開していけるプラットフォームを作ることです。私たちはお客様の声を直接伺える機会もあります。そのため、他部署のメンバーからも『お客様はどう思っているの?』と尋ねられることがあります。

お客様から伺った内容を全社で共有できるプラットフォームを整備し、お客様の声をよりよいサービス提供、コンテンツ制作に活かせる仕組みづくりを進めていきたいと考えています」

「自治体同士の連携」を創り出す。シェアの高いシステムだからできる付加価値の形

長年にわたりカスタマーサクセスの現場に携わってきた倉俣が、自身の仕事の魅力について語ります。

「皆で心を込めて制作したコンテンツが多くのお客様に喜んでいただけると、とにかく嬉しいです。お客様のお役に立てたと感じる瞬間が何よりも励みになります。

またコンテンツクリエーションチームはチームメンバーはもちろんのこと、さまざまな部署のメンバーと協力しながらコンテンツを作っていくので、多くの人と関わり、一丸となって一つのものを作り上げていく達成感の大きい仕事だと思います」

加えて、働きやすさの観点では以下のような魅力があると言います。

「繁忙期では2週間に1回のWebセミナーが開催されることがあり、慌ただしく過ごす時期もありますが、業務が落ち着いている時にはフレックスタイム制度を活用してゆっくり出勤したり、早めに退勤したりすることも可能です。

またコンテンツ制作をする上でありがたいのが、在宅勤務制度。Webセミナーの構成検討や台本作り、マニュアル制作など文章を執筆する際は、集中できる環境で取り組む方が効率的なので、よく活用させてもらっています」

お客様のため、チームメンバーのため──前向きに業務に取り組む倉俣に今後の展望を聞きました。

「まずはシステム開発工程への早期関与をめざしたいです。現在は完成したシステムの動きや仕様を理解して説明する立場ですが、実際に使用してみると『もっとこうしたほうが使いやすいかもしれない』という点に気づくことがあります。そのため開発段階からお客様の業務運用を想定して開発部門とコミュニケーションを取り、より使いやすいシステムを作っていきたいと考えています。

また前述のお客様同士の交流の場作りにも力を入れていきたいです。コロナ禍の影響で自治体様同士が交流する機会が減少していると伺っているので、当社の『戸籍総合システム』が媒介となり、自治体様同士が連携できる仕組みにより顧客体験の場を広げたいと思っています」

お客様が安心して「戸籍総合システム」を利用できるよう常に心を配る倉俣が、同チームで活躍できる人柄について語ります。

「純粋に人の役に立ちたい方、人の役に立つことに喜びを感じる方、広く社会へ貢献していきたい方が向いていると思います。社内外の多くの方と関わるため、コミュニケーション力やチームワークが求められますし、一方でコンテンツを制作する際には1人でじっくり考え、情報を整理し、構成を組み立て力も必要になります。

法改正のたびに新たなことを学ぶ必要があるので、新しいことや難しいことにも果敢にチャレンジできる方にぜひ来ていただきたいですね」

※ 記載内容は2025年5月時点のものです

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