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年間14万件。自治体の窓口業務を法律面からサポートするプロフェッショナル集団

戸籍事務業務には高度な法律知識が欠かせません。戸籍サポートセンターでは、法律に関するナレッジを自治体に提供し、円滑な業務をサポートしています。専門力+ホスピタリティで年間約14万件の問い合わせに対応する、まさにプロフェッショナル集団。そのセンターをマネジメントする橋口 礼子が働く魅力、信念を語ります。

橋口 礼子

間違いは許されない。ハイレベルな知識とホスピタリティで懇切丁寧に対応

▲戸籍サポートセンターで問い合わせを受けるオペレーターの様子

富士フイルムシステムサービスが提供する「戸籍総合システム」は、全国で約7割の自治体に採用いただき、全国シェアNo.1(2023年2月末時点当社調べ)となっています。戸籍サポートセンターでは全国1,200を超えるユーザー自治体から「戸籍総合システム」の操作方法の問い合わせに加え、戸籍法や関連法令に基づき遂行される戸籍事務に関する問い合わせも承っています。

橋口「自治体の窓口には、住民の方々から日々多くの相談が寄せられます。そのうち戸籍事務に関する審査については、民法や戸籍法など関連法令が多岐にわたります。

当サポートセンターではそれらの事例をナレッジとして蓄積し、職員様が判断する上で材料となる根拠資料を提供することで、自治体窓口業務の効率化をサポートさせていただいています。お寄せいただく案件は1日400〜500件。年間で見ると約14万件にものぼります」

対応するのは関東と関西、併せて70名ほどのメンバーたち。問い合わせを受け、戸籍六法や、800冊を超える専門書籍から根拠を探し出し、お客様へ情報を提供します。1つの案件にかかる時間は約30分ほど。緊急を要する相談が多いことから、主に電話で対応をしています。

橋口「当然ですが、間違いが許されない責任ある仕事。ひとつずつ懇切丁寧に対応することに重きを置いています。法改正があった場合には即座に知識のアップデートを行い、お客様へも動画コンテンツやWebセミナーでご案内するなど、細やかな情報提供にも気を配っています」

システムを提供している企業のサポート窓口は通常、「自社システムの操作説明のみ」を行うことがほとんどですが、富士フイルムシステムサービスの戸籍サポートセンターでは、お客様の業務により深く踏み込んだアプローチによって他社にはない価値提供を実現しています。

橋口がグループ長としてメンバーに求めるスキルは大きくわけて2つ。専門知識とホスピタリティです。

橋口「高度な専門知識が求められる仕事なので、メンバーの教育にはずっと力を注いでいます。

教育期間は入社してから3年間。最初の1年で法律の基礎知識をまんべんなく学び身につけ、その後、現場で2年かけて経験を積み重ねながら、フォローアップ研修などを実施していくことで、一人前のオペレーターへと成長していきます。ただ、専門知識があるだけではサービスとして不十分。お客様に最適なサポートを提供するためには、ホスピタリティが非常に重要です。

とくにお電話でのサポートはお客様の状況が見えない分、相手の気持ちを察し、深く丁寧に傾聴しながらニーズにあった行動をとることが求められます。また、併せて話し方や声音も大切な要素となります。そこで、お客様をおもてなしするスキルを身に着けるために、一流のサービスを学ぶという観点から、元客室乗務員の講師を招いた講習を実施したこともあります」

ホスピタリティは好評で、自治体の職員様から「市民対応のお手本になります」とお褒めの言葉をいただいたことも。おもてなしの水準を上げることには余念がありません。

橋口「戸籍サポートセンターの価値とは、オペレーターの人材そのものです。卓越した専門力とホスピタリティを兼ね備えたプロフェッショナル人材を育成しています。オペレーターであるメンバーが、社会インフラを支える仕事だという誇りを持ち、高いモチベーションで働き続けられるよう工夫しています」

お客様の期待を上回るサービスをめざし、教育面を大幅に改良

▲10年前、教育プログラムを改革したメンバーとの思い出の写真(左下が橋口)。 現在もメンバー全員が戸籍サポートセンターで活躍している

戸籍サポートセンターには約25年の歴史があります。そのうちの20年間を、橋口は自身の目で見てきました。

橋口「私自身が、この戸籍サポートセンターと一緒に育ってきたと言っても過言ではありません。トライアンドエラーを繰り返しながら、今に至ります。

じつは元々この戸籍サポートセンターは、当社が提供する『戸籍総合システム』の操作のご案内がメイン業務でした。しかし私が入社して5年ほど経った2005年あたりのタイミングで、お客様から『システムの操作をする際も法律に基づき判断をしながら進めている。戸籍サポートセンターのオペレーターが若干なりとも法律的な知識を持ち、専門用語などを理解いただけると、何に困っているかが伝わり、話しやすい』というリクエストをいただきました。

そこで、職員様と法律面も含めた戸籍事務に関する会話ができるセンターになろうという大きな転換を図ることになったのです」

当初は「もちろん法律のプロにはなかなか追いつけなかった」と言います。方向転換から10年ほど経っても、お客様からは「まだまだ」と言われ続けました。そこで橋口は、オペレーターの教育プログラムでの大幅なテコ入れを決意します。

橋口「私は教育チームのメンバーとして、一からカリキュラムを組み直し、マニュアルを徹底的に整備しました。これまで大体3カ月ぐらいで教育を行っていたところを、1年に延長。また、マニュアルで基礎知識を学ぶだけでなく、日々全国から集まるあらゆる事例をナレッジ化し、学習に活用しました。

こうして時間をかけることで、高いレベルの応用力を養うことができ、職員様と戸籍事務に関する会話ができるようになっただけでなく、日々職員様が戸籍事務業務を行う上で必要となる法的根拠のご提案もできるまでに成長しました」

教育面の改革が功を奏し、橋口の入社時には10名という小規模集団だった当センターも、今では70名ほどの組織へと成長しています。

橋口「ここまで来るのは本当に大変でしたが、毎日1,000本ノックを受けるようなかたちで、お客様に育てていただきました。お客様からいただいたお問い合わせは現在もナレッジとして蓄積を継続しており、 サービスのさらなる向上に役立てています」

「あなたたちは日本の宝」トライアンドエラーを繰り返した先でいただいた言葉

▲常にメンバーとのコミュニケーションを大切にする橋口

そんな橋口には、とくに印象に残っている「反省」があります。

橋口「過去に、お客様からとても難しいご相談をいただいたことがありました。そのときは3、4人がかりでできる限り多くの情報を集めた上で、自信を持って回答。お客様にも感謝のお言葉をいただきました。

しかし後日判明したのは、そのお客様は職員経験がまだ浅い初任者で、情報をたくさんもらってもどこから手をつければいいかわからなかったそう。結局、前任者に進め方を聞いた、ということでした。お客様の状況を理解できていなかったから、情報をパンと渡してしまった。結果、お客様の成功体験にはつながっていなかったのです」

「われわれの自己満足にすぎなかった」と反省した橋口は、以降、お客様の置かれた立場をより細かく理解するようにサービスを改善しました。すると、努力が報われるようなうれしい出来事が起きました。

橋口「毎年お客様に対して行っている満足度アンケートで、ある自治体から『あなたたちは日本の宝です』というお言葉をいただいたんです。トライアンドエラーを繰り返しつつも、失敗で終わらせず成功するまでやり続けたことが、ひとつの成果につながったのだと思っています」

 現在の戸籍サポートセンターのメンバーは、育児中の女性も多いことから、橋口は働きやすい環境づくりにもこだわっています。

橋口「急なお休みも取れるように、環境を整えてきました。まず、独自にシステムを開発し、すべての案件を可視化。事情があって稼働できない日は『お願いします』と一言メッセージを送れば、他の人が対応してくれる仕組みを作ったんです。チームプレーを主体にすることで、働きやすくなったと思います。

育児休暇を取得しても全員戻ってきていますし、復帰教育などのフォローも充実しています。もちろん育児中の女性だけが特別扱いされているわけではありません。現在はたまたま女性比率が多くなっていますが、誰もが平等に働きやすい職場になるよう、ローテーションで在宅勤務を行うなど常に工夫を重ねています」

民間企業でありながら、公共の仕事に深く入り込める唯一無二の環境とやりがい

組織をけん引する立場として橋口が意識しているのは、チームがめざすビジョンを適切な言葉で伝えることです。 

橋口「いかにビジョンに共感してもらい一緒に実現に向けて進んでもらえるかが、チーム全体での成功の鍵。新人からベテランまで幅広い立場のメンバーがいるので、どの視点で話せばいいかを考えながら常に言葉を選んでいます」

リーダーであっても現場の感覚を失わないよう、意識的に現場に立ち続けるという工夫も。

橋口「メンバーの気持ちがわからなければマネジメントはできません。ですから日頃からコミュニケーションをとり、感謝の気持ちや承認の言葉を伝えるようにしてきました。

今や、私がいなくても、メンバーみんなで高め合っていく文化が浸透しています。自主的に声を掛けあったり、勉強会を開催したり、先輩が後輩に教えたり。この前向きな組織風土こそが、戸籍サポートセンターの一番の良さではないでしょうか」

橋口は未来に向け、さらなる業務の拡大をめざしています。

橋口「今、自治体の置かれる環境が急速に変化しています。大きな法改正を控えていることに加えて、DXの推進により窓口業務が刷新され、業務のやり方もどんどんと変わってきています。そんな自治体で働く職員様は、これから相当大変な時期に入られることと思います。ここがまさにわれわれの出番。自治体が円滑に窓口を運営し、自治体の職員様の先にいる住民の方々に安心していただける住民サービスをご提供できるよう、いっそうお客様に寄り添っていきたいと思っています。

現状は既存ユーザーの自治体に対してのみサポートをご提供していますが、いずれは全国約1,700の市区町村様にサービスを広げていきたいですね。そしてその先の夢として、全国民の皆様に対しても支援をお届けしたいと考えています。実現するために、今後も社内の公共事業領域の部署を中心に他部門との連携をとりつつ、常に『お客様の立場に立てているか』を自問自答しながら歩き続けます」

戸籍サポートセンターでは、現在新しい仲間を募集しています。

橋口「この職場は、専門知識を生かして社会貢献したいという方にぴったりだと思います。民間企業でありながらここまで行政に入り込んでお仕事ができるのは、なかなか珍しいこと。公共のお仕事に興味がある方は、きっと楽しく働けるはずです。誰かのために本気になれる仕事はおもしろいものですよ。

法律に関する知識が現状ゼロでも、学ぶ意欲さえ持っていればOK。教育体制を十分に備えているので、安心して挑戦していただけます。『戸籍総合システム』全国シェア約7割のリーディングカンパニーで、全国の自治体を一緒に支えませんか。志を同じくする仲間に出会えることを楽しみにしています」

お客様だけでなく、一緒に働くメンバーへのおもてなし精神も忘れない橋口。温かく頼もしい人柄で、これからも信頼の輪を広げ続けます。

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さあ、あなたも
社会変革の起点に。