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自治体が困った時真っ先に相談してもらえる会社になりたい──新規開発を担うSEの挑戦

富士フイルムシステムサービスの公共事業本部で、ソリューション推進部のメンバーとして働いている小松 直哉。2019年に中途で入社してから、自治体の窓口業務を改善するための新規システムを開発し続けています。ものづくりの苦しさにぶつかりながらも「とても充実している」と話す小松の、挑戦の日々に迫ります。

小松 直哉

お客様の生の声を聞くことが大事。意見を取り入れつつ開発のプロセスを回す

ソリューション推進部は、自治体に対し、窓口業務を効率化するためのさまざまなシステムを提供しています。たとえば、手書きの転出証明書をスキャンしてテキストデータ化し管理する「異動受付支援システム」や、「申請書作成支援システム」という、マイナンバーカードを利用した申請書出力サービスなどがあります。

小松 「ソリューション推進部は、企画・開発・推進の3グループで分業しながら新規プロジェクトを進行しています。私が所属するのは開発グループ。ここでは、すでに世に出ているシステムを維持、改善するためのチームと、全くのゼロからイチを生み出すためのチームの2つがあり、私は後者で新しい開発に携わっています」

小松のいるセクションは、3、4名ほどの少人数で構成されています。新しい技術を用いてサービスを実用化するための設計や、企画グループから上がってくる「こんなことがやりたい」という要望に対して、開発の目線で回答をしていくのが主な仕事です。

小松 「お客様である自治体の方々の意見を開発に取り入れるために、ヒアリングに同行することもよくあります。その際、実際に動く簡易版のシステムを持参し、お客様にご覧いただくこともあります。使っていただいた上で、その感想や意見を伺うことで、サービスとして可能性があるかどうかがよく分かるからです」

少人数の組織でありながらも、新規事業立ち上げのために必要なことには貪欲に挑戦を行います。

小松 「お客様の生の声を聞く機会があるというのは、サービスへの評価や温度感、どのようなところに困っているのかなどが手にとるように分かるので、とてもありがたいことだと思っています。行きたいときにすぐにお客様のもとへ行ける環境は、この部署ならではの特徴かもしれませんね」

恵まれた環境を活かしてお客様の意見を収集し、それを踏まえて企画グループとじっくりディスカッションを重ね、最良のソシューションを開発しているのです。

小松 「企画側のメンバーとは、『これが良いのではないか』『もっとこうした方が良いのではないか』という話をたくさんします。その度にみんなで新規事業を作り上げているんだということを実感しますし、とてもやりがいがある仕事だなと感じています」

新しいことに取り組むのが好き。その想いで自治体業務に新しい風を吹かせる

小松は、2019年度に中途で入社。入社のきっかけは「新しいことに取り組めそうだったから」でした。もともと新しいことに取り組んでいくことが大好きだと言う小松は、入社以前から、さまざまなジャンルの開発に携わっていたと言います。

小松 「いろいろなものに携わっていたのですが、アプリケーションを一から作るという経験はありませんでした。そのため、アプリケーションの設計から開発までに携わってみたいという気持ちがあったのです。ちょうどそのとき、一歩先に当社に転職していた前の会社の先輩から、誘っていただいたんです」

富士フイルムシステムサービスに入社した小松は、自治体向けの新規サービスを立ち上げるチームに配属されました。

当時開発中だったのは、冒頭で紹介した「異動受付支援システム」や「申請書作成支援システム」です。自治体の窓口業務の効率化を叶えるソリューションをつくるために、アイデアを凝らす日々が始まります。

小松 「希望通り新規サービスの開発に携わることができ、刺激的な毎日でした。右も左も分からないという状態でスタートしたので、当然苦労も経験しながらですね。新しいサービスを生み出してきた先輩方にアドバイスもらいながら、業務を通して勉強をしつつ、なんとか一緒に進めていきました」

努力を重ねた末、小松は2020年6月には「事前申請システム」という新規サービスの開発をメインで担当することになりました。名前や住所などの事前にわかる情報を先にパソコンやスマートフォンで入力するとQRコードが発行され、来庁した際にQRコードを読み込ませれば簡単に届出書を提出できるというシステムで、各種届出書作成の効率化が期待できます。

小松 「開発のメイン担当兼リーダーというポジションで、派遣のスタッフ何名かと一緒に作っていきました。ちょうどコロナ禍で世の中にさまざまな制約が生じたタイミングで、感染防止の観点から、申請の手間を軽減するという取り組みにニーズが高まっていたのです」

2021年1月にリリースしたこのサービスは、2022年12月現在もさらなる強化を目指しています。 役所に来なくても全てオンラインで申請を済ますことができるよう、開発を続けています。

新規ならではの苦悩にぶつかりながらも、完成したときの達成感は格別だった

自治体をお客様に持つと、民間企業とは勝手が異なる部分が多々あると語る小松。特にシステム面では多くの制約があり、それを踏まえて提案をしなくてはなりません。

小松 「自治体様は住民の方々の個人情報を扱っているので、インターネットなどのインフラ部分にかなり厳しい制約があります。その意味では特殊な業務と言えるかもしれません。制約の多い中でどのようにサービスを作っていけばいいか、より詳しい部署の人間からアドバイスをもらいながら慎重に進めています」

前出の「事前申請システム」で、QRコード発行という手法を取った背景にもこのネットワーク制約がありました。外部のネットワークから自治体のネットワークへつなげることができないため、検討を重ねた結果、QRコード化して持ち込むという答えにたどりついたのです。

小松 「ただ、QRコードでやるというのも簡単ではありません。出力したときコードが小さいと、白黒がつぶれて読み込めなくなってしまいます。また、QRコードであっても、結局不特定多数がシステムにアクセスをするので、セキュリティについては細かく考えていく必要があります。このように特殊な課題が次々に出てくるので、物を作ることの苦しさもかなり感じました」

新規の取り組みならではの苦悩もありながら、やっとのことでリリースしたときの達成感はひとしおだったと言います。

小松 「リリース後には『このシステムは使いやすくて良いですね』と職員の方に言ってもらえ、住民の方からも高い評価を受けていることを教えてもらいました。開発した立場として、とても嬉しく充実した気持ちになりましたね」

小松は今、また次の新しいものを開発したいと前を向き続けています。自治体の他部署にアプローチを広げ、さまざまな技術を磨いていきたいと思っているのです。

小松 「今あるものを改善していくことも好きなのですが、誰もやったことがないことに挑戦してみたい、という気持ちが強くあります。なので、リリースが完了したものについては随時引き継いでいき、自分はさらに新しいものを生み出し続けたいと思っています。

新しい技術を活用してやってみたいことを、どんどん企画側に話してみたい。そして、好感触であれば真剣に進めていきたい。私は、こういう作業に楽しさを感じる人間なんですよね。将来的には、自治体様が『業務課題を解決できるシステムが欲しい』と思ったときに、真っ先に相談してもらえるような存在になりたいと考えています」

中途入社でも大丈夫。働きやすい環境で、SEとして濃密な経験ができる

このように新しいことに次々に取り組んでいけるのは、会社の環境によるところもあります。

小松 「当社の人たちは、『わからないので、教えて下さい』と言うと親身に教えてくれる方が多いんです。自分一人の力では難しいことも、いろいろな部署と一緒に協力しあって乗り越えていける。この環境は、当社の大きな魅力です」

実際、サービスを立ち上げるときは多くの部署が一丸となって取り組みます。その規模感は、小松が想像していた以上のもので当初は驚いたそう。

小松 「一つのサービスでも、営業や開発、企画、保守をする部署など、本当に多くの部署が連携して動きます。はじめは、こんなに関係者が多いのかと驚いたのですが、その分社内のいろいろな人と知り合いになって、話を聞くことができるのは良いですね。多くのセクションの人間と議論を重ねながら、充実した日々を送っています」

関係者が一丸となって仕事を進める富士フイルムシステムサービス。やりがいや成果を共有し、互いを高め合える環境に、新たにメンバーを迎えたいと小松は考えています。

小松 「新しいことに挑戦をする気概のある方が入ってきてくれると嬉しいです。新規事業をやるにせよ、既存業務をやるにせよ、今あるものを良くしていくためには新しいものを取り入れていく姿勢が不可欠です。今どのような技術が流行しているのかなどを日々勉強することが大事なんですよね。そこに興味を持ってキャッチアップできるような人がたくさんチーム内にいるといいなと思います」

今後も大きく発展していくために、ぜひ新しい風を取り入れていきたいと意気込む小松。自身も中途入社だったことから、中途で入ってきても働きやすい環境であると太鼓判を押します。

小松 「『中途だからできるでしょ』と放任されることはなく、しっかりと教育をしてくれますし、フォローも充実しています。私自身、入社当時とても安心したのを覚えています。指示されたプログラミングのソースコードを書くだけではなく、自ら企画・開発に携わり、リリースしたものがどうだったのかという結果まで追いきる。SEとしてはかなり濃密な経験ができると思います」

常に新しい情報にアンテナを張りながら、新規サービスの開発に試行錯誤を重ねる日々。小松の熱い想いが、自治体の業務に革新を起こしていきます。

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