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防災・減災DXの領域で新しい価値を。ゼロからイチを生み出す営業メンバーの志

公共事業本部とエンタープライズサービス事業本部、ふたつの既存事業本部の垣根を越え、新規事業戦略の創出に取り組むデジタル戦略推進部 ビジネスディベロップメントグループ。グループ長の佐伯 聡、同グループの浦野 航、橋本 祐次の3人は志をひとつにチームワークを発揮し続けます。それぞれの仕事への想い、やりがいとは。

営業

佐伯 聡

営業

橋本 祐次

営業

浦野 航

まだこの世の中にないものを。新規事業開発の先頭に立ち、防災・減災のDX事業を推進

▲左から浦野、佐伯、橋本

自治体・公共機関向けサービスを展開する公共事業本部と民間企業をターゲットとしたエンタープライズサービス事業本部、ふたつの領域で事業を展開する富士フイルムシステムサービス。各事業本部がそれぞれR&D、新規事業開発にこれまで取り組んできました。そのため既存の地続きのビジネス開拓にとどまるなど、新しい事業領域開拓は難航してきました。そこで2021年4月、事業本部の垣根を超え、これまでリーチできていなかった分野での事業開発を開拓していくことをミッションとし、デジタル戦略推進部が創設されました。

現在、日本にとって大切な「防災・減災DX」をテーマに据え、公共の領域だけでなく、災害対応に関わる保険会社をはじめとした民間企業とも協働しながら一体的なビジネスモデル創出に取り組んでいます。

その中でも、ビジネスディベロップメントグループが担うのは営業の領域。グループ長である佐伯を筆頭に、それぞれエリアを分担しながら活動しています。

佐伯 「北海道と沖縄を除く全国およそ1,400の自治体様すべてをわれわれでカバーしています。私はグループ長として全体を統括するかたわら、九州エリアを主に担当。企画やマーケティングにも携わり、新しい領域への進出を目指した戦略策定なども行いながら、製品・サービスの実現に向けた活動を通じて、実証フィールドおよび顧客市場の開拓に携わっています」

佐伯と同様、立ち上げとともにデジタル戦略推進部に配属となった浦野。九州を除く西日本エリアの営業を主に担当しながら、自治体でドローンを運用する体制を整えるためのコーディネーターの役割も担っています。

浦野 「たとえば、被災された方が行政機関から生活再建支援を受けるために必要な罹災証明書を発行する際、あらかじめ自治体職員様は家屋に対して被害程度を判定する現地調査を行う必要があります。その一連のプロセスをアナログからデジタルに変革し、被災者のいち早い生活再建を実現する活動を現在進めています。

また、大規模災害を想定すると、人による対応ではどうしても限界があります。そこで、ドローンなどで取得した空撮画像を、富士フイルムグループの画像処理・AI技術を活用することで、圧倒的な効率化の実現も検討しています。自治体担当者様に向けて、その社会実装に向けた具体的な相談・提案を進めているところです」

2022年の4月に同部に異動となったばかりの橋本。北関東から東北にかけてを主な活動エリアとしています。

橋本 「自治体様へのアプローチ方法は主にふたつ。ひとつは、定期的に開催しているオンラインセミナーからお付き合いが始まるケース。もうひとつが、担当エリアで営業活動をする中で、個別に引き合いをいただくケースです。

自治体税務部門や防災部門の方とのやりとりから始まることが多いのですが、行政相手のビジネスなので、全庁単位で認められなければ、事業が進んでいきません。首長に首を縦に振ってもらうために、それぞれの部門の方と話し合う中で緊急性・必要性のポイントを探りながら、事業化に向けて取り組んでいます」

所属を超え、課題解決に対して志を同じくする仲間が連携してきたことが成果に

利害関係者が多いことが防災・減災DXの領域の特徴だと言う佐伯。課題解決を進めていくにあたって、高度な情報処理、コミュニケーション技術や組織攻略の戦略が求められていると言います。

佐伯 「県や内閣府防災担当、総務省、都道府県など、実にさまざまな組織の方々が関わっていて、それぞれ密に連携をとりながら事業開発を進めていく必要があります。自治体様の中でも同様です。

たとえば、住家被害認定調査は、本来税務部門の担当ですが、新しい事業の検討となると、首長、政策秘書、企画部門の方々なども巻き込みながら検討しなくてはなりません。そこに難しさを感じています」

一方、ドローン運用を進めてきた浦野も、前例のないところから実績づくりに努めてきました。

浦野 「2021年は中国・四国地方、2022年は東海地方の自治体様と実証実験や研究をしています。現地で実際に自治体担当者様とともにドローン空撮することで、机上では気づかなかった課題を把握することができ、それをどう解決するか、自治体担当者様と思考し検討を進めてきました。

前例がないだけに、最初は何からクリアすべきか不明でしたが、実証実験や研究を通して課題を一つひとつ整理し進めることができたので、将来につながる活動ができたと思っています」

そうやってゼロからイチを生み出す難題に取り組む上で欠かせないのがチームワーク。グループ内では情報共有が徹底されていると言います。

橋本 「適宜グループ内でミーティングを実施しているほか、部内の開発やマーケティングのチームとも連携しています。いちばん良くないのは情報を出さないこと。些細なことでも伝え合うことを心がけています。メンバーの数が多くないからこそ、コミュニケーションが取りやすいところがあって。チームワークを発揮するにはとても良い環境があると思います」

そんなグループの団結力が実を結んだケースがありました。

佐伯 「2022年に愛知県豊橋市様と共同研究協定を締結しました。これは、ドローンによる空撮画像から被災状況をすみやかに把握する体制を整備し、罹災証明交付を迅速化するなど、被災者が各種⽀援制度を早期に利用できる仕組みの構築を目指すもので、⾏政区内でのドローン⾶⾏計画や条件の検討、実証実験などを実施しています。

政策秘書や企画部門、DX部門など政策を検討する部門に対して働きかけてきたのは私ですが、そうした活動を下支えしてきたのは浦野。彼が中心になって機材を揃えたり、操縦ライセンスを取得したりと、現場で地道に運用を進める中で得たヒントをもとに提案したことがきっかけで協定に至っています。

また、橋本も当グループへ異動前から防災・減災DX対応に関するマーケティングの面で協力してくれていました。所属に関係なく、課題解決に対して志を同じくする仲間としてそれぞれ自分ができる役割を考えながら実践してきたことが、いま結実しつつあると感じています」

まだ見ぬ社会の実現に向けて。三者三様の想いとやりがい

異なるバックグラウンドをもちながら、同じ目標を共有する3人。それぞれの想いを次のように語ります。

佐伯 「富士フイルムグループの研究開発部門がもつ独自技術と、当社が培ってきたノウハウを掛け合わせることで、他社に負けないソリューション・システムをつくりたいとの想いをずっともっていました。

それをどうかたちにしていくか、以前は迷いがありましたが、デジタル戦略推進部で防災・減災DXのプロジェクトを担当するようになってから視界が開け、いまに至っています。組織再編によって富士フイルムのAI画像解析の技術協力が得られるようになったことも大きかったですね」

浦野 「私にも、先端技術を使って業務を、ひいては社会を変えていきたいという想いがあります。大学では物理学の研究に携わっていましたが、技術があるだけでは何も生まないし、解決もできないと思っていたんです。技術の社会実装に関われていることに大きな意義を感じています」

橋本 「自治体様向けに既存の事業を営業する部署に約6年在籍し、ひと通り経験することができたと思ったところで、新しいことに挑戦したいという気持ちが芽生えました。前例がないところで最前線に立ち、仮説検証を繰り返しながら、自分が新しい型のようなものをつくっていきたいという気持ちでいまの部署にやってきました。想像していた通りの仕事ができていて、いまとても充実しています」

新規事業開拓という道なき道を行く3人。三者三様にやりがいを感じていると言います。

橋本 「こうしてみたらどうなるだろうかと試して、うまくいかなければ、じゃあ次はこうしてみようという具合に、毎日が試行錯誤の連続です。トライアルアンドエラーを繰り返し答えを探す作業は、大変である一方、ほかには代え難いやりがいがあると感じています」

浦野 「近年、防災・減災DXの領域や、ドローンなどリモートセンシング技術の利活用に、自治体様・民間企業様の注目が集まっているのを感じています。双方の解決したい課題とその想いが合致すれば、それだけ大きなエネルギーで事業化を進めることができるんです。そうやって自治体様と同じ目標に向かって、高い熱量で事業を進めることできる、それが私のやりがいです」

佐伯 「当社には、お客様から『AI技術を活用したDX化を実施したい』というご依頼に対し、富士フイルムグループ内の連携によって実現可能な環境があります。もちろん責任はともないますが、資金やリソースの面での不安がない環境で、ベンチャー企業のような新規事業に挑戦できるのがデジタル戦略推進部の魅力です。

自由度の高い環境で、これからの発想の基軸となるような新しい価値観をつくりだす作業に取り組めていることに大きなやりがいを感じます」

大事なのは、失敗を恐れず、挑戦をやめないこと。世の中にないものをつくるために

「新規事業開拓は、真っ暗な闇の中に飛び込むようなもの」だと言う佐伯。大切にしていることがあると言います。

佐伯 「メンバー同士がそれぞれの想いや考え方をなじませながら、同じ方向性を向いていくこと。そしてその中で自分にできる最大限の役割を果たしていくこと。自由の名のもと、新しいことを開拓していくことを是としなければ何も起きません。活動を止めないこと、挑戦をやめないことが何より大事だと思っています」

佐伯の話に大きくうなずく浦野と橋本。それぞれ次のように続けます。

浦野 「まさに闇の中。何をするにもやってみないとわからないので、失敗を恐れず、躊躇なく実行に移すことが重要です。生みの苦しみは想像していた以上ですが、実際に生み出せたときに得られる成果と達成感も相当なもの。『世の中にないものをつくりたい』という想いを維持することで、より楽しく充実した気持ちで仕事に取り組めると思っています」

橋本 「前向きであることをいつも心がけています。新しいことをしようとすると、サービスの機能が制限されたり、情報が足りなかったり。やりづらいと感じる場面が多いのですが、それをいっていても何も始まりません。利用可能なものでうまく対応することにフォーカスするようにしています」

市場での存在感を高めることが目標だと口を揃える3人。今後の展望をこう語ります。

橋本 「“富士フイルム”の看板にブランド力はあるとはいえ、災害の分野では無名同然です。まずは防災・減災DXの分野で当社の認知度を高めることが先決。先頭に立ってその取り組みを進めていきたいですね」

浦野 「そのためには、お客様に自社の提供価値を広く丁寧に伝えていかなくてはなりません。それと並行して、これから生まれる先端技術を現場運用に合う形に仕立て、自社サービスの付加価値として取り込むところまで見据えながら、お客様との関係性を構築していきたいと思っているところです」

佐伯 「ふたりの想いに同感です。市場に私たちのサービスを普及させられる環境を整えることが自分に課されたミッションだと思っています。同時に、その次を考えていくことも大事な使命のひとつ。災害対応の次なるビジネスモデルを模索しながら、少しずつかたちにしていければいいですね」

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