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社会インフラを支える責任と使命を胸に。一貫して守り続ける「お客様ありき」の姿勢

公共事業本部で戦略推進グループ長と事業管理グループ長を兼務する小澤 憲明。入社以来、営業担当として長きにわたりお客様と向き合い続け、2019年からは事業戦略の立案・全体合意を図る役割を担ってきました。現場をよく知る立場から、富士フイルムシステムサービスの強み、仕事の醍醐味について語ります。

スタッフ

小澤 憲明

戦略推進グループ長と事業管理グループ長を兼務。公共事業本部が目指すもの

小澤が籍を置く公共事業本部では、1988年の創設当初から地方自治体に向けて住民情報に関連するサービスを展開してきました。近年では中央省庁に向けてもさまざまなサービスを提供し、活動の範囲を広げています。 

小澤 「私共の公共事業本部は、もともとは地方自治体様向けに除籍・改製原戸籍の再製サービスを提供することから始まりました。その後、戸籍電算化事業に関するさまざまな業務支援を通じてノウハウを培いました。現在提供している『戸籍総合システム・ブックレス』は、全国で約7割の自治体様に採用いただき、全国シェアNo.1(2022年5月末時点当社調べ)となっています」

戸籍業務で実績・信頼を築いた公共事業本部は、自治体の窓口業務全般の「戸籍・住民関連業務アウトソーシング」や、DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する「デジタル窓口ソリューション」の提供をするようになりました。地方自治体の業務改善と住民サービス向上を目指し、進化し続けています。

さらに近年では、関連する府省庁に向けた提案活動にも力を入れ、事業機会創出を目指しています。

公共事業本部の一員として、国のインフラを支えているという責任感・使命感をいつも忘れないように心がけているという小澤。次のように続けます。

小澤 「いろいろ商品を提供していますが、単なる“物売り”になってはいけないと思っています。商品やサービスありきではなく、最初にお客様の課題や困りごとがあり、それを解決するお手伝いをするのがわれわれの仕事。お客様に寄り添い、お客様の立場になって考えることを、公共事業本部全体が大切にしています」

営業に携わること、15年。心がけてきたのは、“人対人”の付き合い

2004年、富士フイルムシステムサービスに入社した小澤。地方自治体向けの営業職として、主に福岡・佐賀・長崎の自治体を担当しました。

小澤 「戸籍総合システムを導入していない自治体様に対して、セールスをするのが主な仕事。便利なシステムなので、予算がある自治体様は早い段階からシステム導入してくださいますが、財政面で課題を抱える自治体様では簡単なことではありません。

あらゆる情報を駆使しながら現場の担当者の方と一緒になって頭をひねり、首長など、財布を握る方がどうすれば首を縦に振ってくれるかを考えていました」

入社して2年目のある日のこと。今でも忘れられない出来事がありました。

小澤 「担当先の係長さんが早期退職するという話を耳にし、電報をお送りしました。すると、ご丁寧に手書きの手紙をお送りくださいました。『私のような地方の係長に、こんなに良くしてくれてありがとう。富士フイルムシステムサービスとは、人と人の付き合いができたような気がする』と。

このようなかけがえのない出会いのある仕事に携われることを、とても幸せに思いました。今でも、その手紙は会社のデスクの引き出しにしまって、ことあるごとに読み返しています」

6年後、首都圏支店へ異動した小澤は、地方との違いに戸惑いながらも、さらに多くを学んだといいます。

小澤 「首都圏の自治体様の中には、われわれよりも情報に精通している方が少なくありませんでした。生半可な知識で話そうものならたちまち反論され、手も足も出せなくなりました。お客様が納得した上でサービスを導入していただくために、それまで以上に情報収集に力を入れ、勉強するようになりました。

とはいえ、結局は人対人。場所が変わっても、最後にものをいうのは、お客様との信頼関係です。お客様と良い関係を築くことの大切さを学びました」

そんな小澤が、この仕事のやりがいを実感したエピソードがあります。

小澤 「当時取り扱っていた商品のひとつに、住民票の写しや戸籍の証明書などを出力できる自動交付機がありました。その設置場所付近を、たまたま家族と一緒に通りがかったことがありました。

まだ幼かった娘に、『お父さんがこの機械をここに置いたんだよ』と話したら、驚いた様子で関心を示してくれて。自分が取り組んできたことが、実際に世の中の役に立っていることを子どもに伝えられて、とても誇らしい気持ちになったのを覚えています」

公共事業本部は、システム構築かかる期間が長いのが特徴。苦労が多いからこそ、喜びも大きいと小澤はいいます。

小澤 「たとえば、戸籍の電算化のように大きな事業の場合、システムの構築作業を開始してから稼働するまで数年の歳月がかかることもあります。お客様とわれわれは、いわば長い道のりを共にする同じチームの一員同士。実際に稼働したときに、涙を流しながら手を握り合ったこともありました。そうやってお客様と感動を分かち合えるのも、この仕事の醍醐味だと思います」

そして2019年、戦略推進グループが創設されると同時にグループ長となった小澤。同グループ創設の背景について、次のように話します。

小澤 「戸籍の電算化事業のように、かつては10年、15年といった長いスパンで戦える主力商品がありましたが、世の中がこれまでにないスピードで変化するようになり、新しいサービスがあっという間に鮮度を失うようになってきていると感じます。そうした状況に対応すべく、将来を予測しながら先手を打てる部署設置への機運が高まり、戦略推進グループが立ち上がりました」

戦略推進グループが果たす役割について、以下のように語ります。

小澤 「戦略推進グループの役割は、未来を見越しながら、公共事業本部が進むべき方向性について考え、公共事業本部全体の合意を図っていくこと。直近の課題に対応することより、たとえば『この部分を強化し、人材を投入すべきでないか』『この事業はやめるべきではないか』と提言し、最終的にコンセンサスを取ることが仕事です」

国の方針を理解する現場の代弁者として。全国の自治体をお客様に持つことが最大の強み

公共事業本部について、全国約1700の自治体をお客様に持つことが最大の強みであるという小澤。次のように続けます。

小澤 「たとえば、戸籍総合システムだけでも約1200自治体、ほかのサービスも含めるとさらに多くの自治体様で当社のサービスを使っていただいています。お客様と直接話してニーズを拾いながら新しい商品やサービスを作っていける点は、他の企業にない当社の強みではないでしょうか。

中央省庁様と事業を進めていく上でも、まさに同じ点がアドバンテージになると思っています。たとえば法務省様では、行政上、戸籍業務に関する情報が必要になるケースがありますが、戸籍業務は法定受託事務として各自治体が実施管理しているため、法務省様は必ずしも実運用上等の欲しい情報を持っていません。

そこで、われわれの出番です。『こういうことをやりたいのだけど、富士フイルムシステムサービスさんはどう思いますか』という問い合わせをいただいた際には、全国の自治体様に対して一斉にヒアリングを実施。意見を吸い上げ、現場の意見として法務省様に提供することができます。

特定の自治体様とのパイプを持つ企業はほかにもありますが、全国レベルで情報を収集・分析できるのは、当社の強み。今後は国の方針を理解する現場の代弁者として、法務省様だけでなく関連領域にも活動の幅を広げ、存在感を高めていきたいですね」

戦略推進グループの中には、中央省庁様や関連組織に出向するメンバーもいます。彼らの経験や意見も吸い上げ、戦略に活かしていきたいと語る小澤。意思決定する上で、心がけていることがあります。

小澤 「将来を確実に予見することは誰にもできません。仮に見通しきれていない部分があったとしても、勇気を持って決断し前に進む必要があると思っています。大切にしているのは、お客様のお役に立ちたい、お手伝いしたいという気持ち。お客様のことを最優先していれば、おのずと“できそう/できない”ではなく、“やるべきか/やらざるべきか”という軸で決断できるからです。

『さすが富士フイルムシステムサービスさん、いいところに気づいたね』『やっぱり小澤さんにお願いしてよかった』といっていただけるかどうか。判断の拠り所となるのは、その一点です」

他社との協業も見据え、より一層“お客様ありき”のサービス提供を目指す

入社後、20年近く自治体向け事業に携わってきた小澤。全国の自治体、そして中央省庁を顧客とするビジネスのスケール感のほかに、富士フイルムシステムサービスの魅力は「会社の規模に由来する風通しの良さ」にあると話します。

小澤 「当社では、各部門のマネージャーが月に1回、顔を合わせて意見を交換する機会を設けています。さまざまな意見が社内全体に共有される仕組みがあるので、たとえば仮に開発と営業のあいだに意見の齟齬があったとしても、それが放置され、後になって問題が表面化するようなことがありません。会社の規模が大きすぎないからこそ、意思疎通が滑らか──これも当社の強みのひとつだと思います」

そして、公共事業本部の今後については、これまでとは違ったかたちでお客様に寄り添うことが必要だと語ります。

小澤 「かつては、商品やサービスに作り手の想いがこもっていれば、それにお客様が自然と反応してくれていましたが、今はそういう時代ではありません。変化のスピードが激しさを増し、オンラインでのコミュニケーションが多くなっていくことが予想される中、UIや使い勝手などデザインの面で、よりいっそう機軸をお客様のほうへと寄せていく必要があると思っています。

実際、弊社が提供したサービスをお客様に利用いただく中で、お客様から頂戴した意見を元に新たなサービスを追加したり、サービスの見直しを行ったりといった取り組みも強化しているところです」

また、企業の強みが細分化されてきているという小澤。これまで競合していた企業と力を合わせていくことにも前向きです。

小澤 「お客様のことを第一に考えると、他社と争うことが最善とは限りません。手を組むことで互いの強みを活かし、商品やサービスの品質向上につなげていくという選択肢も当然あると考えています。もしかしたら、それぞれの持ち味を掛け合わせることで、まったく新しい商品やサービスが生まれるかもしれません。競争から協業へと方向転換していく必要性を感じています」

長らく営業に従事し、“お客様ありき”の姿勢を貫いてきた小澤。戦略推進グループ長と事業管理グループ長を兼務するいまも、その考えがぶれることはありません。まっすぐお客様を見ながら、これからも前進を続けます。

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