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業界にとっての最適解を模索していく──システム開発の上流工程でデジタル化を支える

システム開発部ドキュメントテクノロジーグループの吉野 圭佑。「帳票マルチ配信サービス」を担当し、システムの設計、開発、提案、運用支援および、デジタル配信サービスの提案や設計・構築携わっています。前職SIerでの開発経験を経て上流工程に取り組む吉野の仕事への想い、譲れないこだわりに迫ります。

吉野 圭佑

「帳票マルチ配信サービス」のデジタル配信を支えるシステム開発を担当

吉野が籍を置くのは、エンタープライズサービス事業本部 システム開発部 ドキュメントテクノロジーグループ。民間企業向けに、帳票などのドキュメントを発行・送信するドキュメントプリントサービス業務を手がけています。

「ドキュメントテクノロジーグループでは、幅広い業界のお客様を対象に、発注書や請求書、そのほかさまざまな通知物の発行を請け負っています。中でも私が現在担当しているのは、『帳票マルチ配信サービス』で、お客様からお預かりしたデータをもとに、ワンストップで紙の帳票作成・発送を実施、もしくは帳票を電子化して配信するハイブリッド型のソリューションです。

2022年1月に電子帳簿保存法が改正され、見積書や請求書、注文書など各種帳票の電子化へのニーズが加速する一方で、デジタル化への移行を急ぐ取引先への対応も求められています。『帳票マルチ配信サービス』では、お客様の既存の販売管理システムをそのまま活用できるため、電子化に移行するための開発費用を大幅に抑えることが可能です。さらに、各種帳票の電子化により、郵送費用を含むコスト削減が期待できます。

また、紙送付が必要な場合でも、お客様の事業所内での内製または、当社プリントセンターでの出力の両方に対応しており、納期短縮をご支援できることも大きな特徴です」

このうち吉野が担うのは、メールやSMSを通じたデジタル配信のためのシステム。提案から設計、構築、開発、運用まで一連の工程に携わっています。

「インプットデータは企業によってさまざまです。お客様に対してヒアリングを実施するところから業務が始まります。

フロントに立つのは営業のメンバーですが、文字コードの設定など基本設計に近い部分については、私たち開発メンバーも打ち合わせに参加し、開発目線で提案しながら要件をまとめていくのが一般的です」

お客様が必ずしもシステムに精通しているとは限りません。専門用語を使わずに噛み砕いて説明し理解を得ることに苦労することもある一方、システム開発における上流工程を担う醍醐味について、吉野は次のように話します。

「会話を通じて潜在的な課題を掘り下げ、お客様がまだ気づいていない改善点を見つけ出し、協議を重ねながら最適な解決策を模索するのが私の役割です。お客様の本当のニーズを捉え、業務改善やコスト削減に貢献できているところに、おもしろさとやりがいを感じています」

前職で培ったものづくりへのこだわり。システム開発に対する価値観に共鳴し入社を決意

通信制の大学に在籍しながら、国家資格の取得をめざしてIT系の専門学校にも通った吉野。卒業後、入社一社目となるSIer(※1)でキャリアをスタートさせました。

「お客様先に常駐して、流通系企業の企業間EDI(※2)開発や物流系企業の基幹システムのプロジェクトにエンジニアとして参加していました」

システム開発の下流工程を担う上で吉野が心がけていたのが、より良いものづくり。一貫して大切にしていたことがあります。

「お客様先に単独で常駐することが多かったため、会社の看板を背負うという意識があり、品質に対して強いこだわりがありました。成果物についてお客様に責任を持って説明することも重視していた点です。

そのため、ただお客様の指示に従うのではなく、こちらから積極的に提案することもしばしばありました。技術面だけでなく、開発に取り組む姿勢を含め、現場を共にした別の協力会社の方から受けた影響は大きかったと思います」

約6年にわたって開発に取り組み、エンジニアとして実力を身につけた吉野。さらなる成長を求め、大きな決断を下します。

「前職では主任のポジションも任され、社内やベンダーのマネジメントも経験させてもらいましたが、システム開発の上流工程を担う機会はあまりありませんでした。

当時の私は29歳。30歳の節目を前に、直接的なコミュニケーションを通じて、お客様が抱えている課題の解決や要求の実現に向けてシステムの概要をまとめるポジションを経験したいと考え、転職を決めました」

そして、吉野が新天地に選んだのが、富士フイルムシステムサービス。システム開発に対する同社のスタンスに共感したことが決め手になりました。

「事前の情報収集を通じて、当社がお客様に寄り添いながらシステム構築に取り組む企業だと理解していました。選考の過程でとくに印象に残っているのは、面接を担当したシステム開発部長とのやり取りです。私のこれまでのキャリアについて詳細に尋ねた上で、お客様のことを考慮しながら開発に取り組んでいたことを高く評価されたことは、私にとって非常にうれしいことでした。

ここでなら、自分がこれまで貫いてきたアプローチをさらに高いステージで試せると感じ、入社を決めました」

※1 System Integration:システム開発や運用の受託をビジネス展開している企業
※2 Electronic Data Interchange:電子データ交換システム

顧客と開発メンバーの橋渡し役に。ベンダーマネジメントに生きる下流工程の経験

2022年の入社後、吉野は現在も所属するドキュメントテクノロジーグループへ。「帳票マルチ配信サービス」の中でも、紙による帳票作成・発送のためのシステム開発に携わり、上流工程を担当してきました。

「システム要件の変更内容を確認し、詳細設計へと落とし込むのが私の役割でした。実際にプログラミングなどの開発業務を担うのは協力会社の方々。入社当初は、小規模かつ短納期の案件を多く担当していました」

長く基幹システムの開発に関わってきたことから、案件ごとにシステムをカスタマイズするプロセスに戸惑いを感じることもあったと話す吉野。支えになったのは、社内のメンバーたちでした。

「郵便料金変更の対応や生産ラインとの調整など、印刷業界特有の課題については、上長やリーダー、メンバーの助けが大きな力となりました。とくに最初の1年は、当時の上司やリーダーをはじめ、周囲の力を積極的に借りながら作業していた記憶があります」

一方、前職で培った知見を応用できる場面も多かったと言います。

「システム開発の下流工程に長く携わってきたため、開発者の考えや彼ら、彼女らが求める情報を理解できるのが私の強みです。お客様と開発者とのあいだで中立的な立場を取ることで、プロジェクトを柔軟かつ円滑に進めることができました。

成果物に関して開発者の目線で評価できるのも、前職の経験があったからだと思います」

入社以来、さまざまな業界の顧客を相手にシステム開発に取り組んできた吉野。約2年間で着実に成長を遂げてきました。

「基本設計や提案業務を通じて、想像力が養われたと感じます。『この業界のお客様であれば、きっとこんなことを必要としているに違いない』と想像力を働かせ、発想する力が身につきました。

たとえば、金融業界のお客様では小さなシステムのエラーがお客様業務において大きな影響につながってしまうようなことがあります。そのようなことにならないように、とくに厳しい基準で運用テストやUT試験を実施することを提案しています。また、年度替わりや決算などのタイミングで通知物を発行するお客様がほとんどです。そのため、お客様の業務の流れを理解し、前もって確認するよう心がけてきました。

さらに、『帳票マルチ配信サービス』の開発業務には、法改正など各業界の動向調査が欠かせません。知識の幅が格段に広がったことが、大きな財産となっています」

チームを、グループを牽引できる存在に。エンジニアとして、さらなる高みへ

中途入社者にとって富士フイルムシステムサービスの最大の魅力は「働きやすい環境があること」だと話す吉野。とりわけ、サポートや教育体制が充実している点を強調します。

「お客様の数が多いため、あえて担当を明確に決めずにフォローし合いながら業務を進めるなど、ドキュメントテクノロジーグループにはメンバー同士互いに助け合う文化が浸透しています。

また、私が何より頼もしく感じたのが、社内のベテラン社員の存在です。わからないことを気軽に尋ねられる風通しの良い雰囲気があるおかげで、業務にスムーズに馴染むことができました。

教育面でも自身の能力・スキル向上を目的に、希望する研修受講や資格取得を支援する制度や能力開発の課題(伸ばしたい強みや身につけたいスキルなど)に沿ったWeb動画学習プログラムを選び、学習できるなど、自発的に学べる環境が整っています」

システム開発における上流工程を担う中で、吉野が肌で感じてきたのが、想像力の重要性です。同社のシステム開発部で働く人材に求められる資質について、次のように話します。

「システム開発に正解はありません。お客様の要望に対してイメージを膨らませ、自分なりの答えを導き出す力が不可欠です。たとえば最近では、インボイス対応の一環として、業界動向を調査しながら3年先までの中期計画を立案し、それに基づいて未来の新サービスの概略図を作成し、メンバー間で協議したことがありました。

答えのない課題に対して、失敗を恐れず前向きに取り組む姿勢が必要だと思います」

2024年で入社3年目を迎える吉野。エンジニアとして、めざす姿があります。

「入社時には、3年後にリーダーになることを目標に掲げていました。来年にはリーダーを、さらに5年後、10年後にはチームやグループをまとめる立場を任されるような人材でありたいと考えています。

今年度は、システム開発とそのシステムを提供するだけでなく、お客様がシステムを利用して実施される業務プロセスの再構築や、関連するその他の業務までご提案の範囲を広げ、システムに加えた運用をご支援するサービス提供を実現することで、お客様の価値を最大化させる取り組みの推進役割についても期待されています。現在の上司のような存在を目標に、より広い範囲で価値を発揮していきたいです」

※ 記載内容は2024年4月時点のものです

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